SNOWBOARDING REPORT ~長野県・乗鞍岳~

 朝は7時頃目覚めた。
 風呂から上がってすぐ寝たのと、暖房がよく効いていたのとで、布団の中は暑かった。何度か起きたが、朝は寝不足は感じなかった。

 起きると早速体温を計った。
 37℃ジャスト。
 なんとも決断を迷わせる数字だ。
 これが36℃台だったら、なんのためらいもなくGO!なのだが...
 でも、しばし迷った挙句出した結論は、やはりGO!であった(笑)辛さは感じなかったし、明日は月曜日だが有休とってある。なにより天気が抜群にいい!体調が悪くなったらこのペンションにもう一泊するのも悪くない。そんな風に考えたら、気が楽になった。

 7時半に朝食。嗜好を凝らした雑炊がうまかった。
 ペンションには他に2組ほど泊まっていたが、どうやらオーナーの案内で、上高地スノーシューで歩くらしい。1人できていた俺も前夜に誘われた。
 そういうのも悪くないな。来年にでも遊びに来よう。
 8時半の集合時間に合わせて、8時にペンションを出る。俺にとっては贅沢な宿だったけど、また来てもいいなって思ったペンションだった。

 乗鞍高原スキー場の集合場所に行き、他の参加者を見つける。初めての人が多いみたいだ。
 しばらくすると、モンベルのスタッフが現れた。予定の集合場所が違うところだったようだ。

 移動して挨拶し、説明を聞き、とりあえずリフトに乗り、いけるところまで登る。当初はもっと上までリフトが動いているはずだったらしいが、シーズンは終わり際。動いているリフトは1本だけのようだ。
 行程も当初の予定を変更せざるを得なかったらしい。乗鞍高原スキー場は雪がこれだけあるにもかかわらず3月一杯でほとんどのリフトを止めているのは営業予定通りにしたからだというが、それなら、今回のツアーの開催時期にはリフトが動いていない事は事前に確認できたはずでは?というのが俺の疑問であった。
 まぁいい。天気も雪も最高だし。
 リフトの終点でスノーシューに履き替え、上りだす。しばらくは営業終了したゲレンデを登る。
 乗鞍高原スキー場は、ほとんど営業終了状態だったが、雪はかなりのものだった。量はかなりのものだったし、なにより状態がよい。先週行っためいほうとは大違いだった。2月に行った車山よりもいいくらいだ。天気も最高。体の調子も悪くない。動ける。
 来て良かった。

 参加者は7割がスノーボーダーテレマークが2人。モンベルのスタッフもテレマークが1人と、スノーボードの方が1人。特にテレマークの方は、結構高年齢なのに、登りも下りも速くて驚いた。スタッフの方を見て、「今日のツアーはスローペースだな」と思った俺が大間違いだった。先日の鷲が岳よりも全然ハイペースだ。休憩も少ない。
 一時間あまりでスキー場のゲレンデを登りきり、バックカントリーへ。といっても、乗鞍の裏山はゲレンデの延長のような感じだった。自分たちの他にもテレマーカースノーボーダーがかなり多く、ここならツアーでなくともこられそうな雰囲気であった。
 しかしこのところ仕事漬けで運動不足の俺。ついていくのがやっとだった。しかし、他のツアー参加者ともうちとけ、楽しく登ることができた。特にボーダーとは話が合う。関東からの参加者が多くて、ゲレンデの話でも特に盛り上がる。
 あぁ、ボードやっててよかったなって思う瞬間である。

 休憩を1度だけで3時間登ったところでドロップイン。樹林帯を抜けた尾根は風が強かった為、少し下ったところで昼食。俺はペンションでつくってもらった弁当を頬張る。あー正解。

 昼食後、ゲームをしてビーコンの使い方の講習。ビーコンを1つ雪に埋めて、他のビーコンで場所を探すというやつである。ビーコンというものが作動しているところ始めて見たが、これは必要だと感じた。埋まっているところが本当にわかるのである(当然だが)。今年はもうバックカントリーに行くこともないだろうが、来年は回数を増やしたいと思っている。ゾンデ棒と一緒に購入を考えようと思った。
 まぁこれらを有効利用できる事態には遭遇したくないが。

 休憩を終わると、ようやく本格的なドロップイン。他のボーダーやスキーヤーによって、結構シュプールが作られていたが、雪質がよかったので、楽しめた。
 この時期にこの雪量、雪質を楽しめるだけ幸せである。
 樹林帯を抜けて、圧雪されてないゲレンデを下り、ワイワイ言いながらゲレンデ終点へ降りた。
 感無量。
 車へ戻り、着替え用とした時に熱のことを思い出した。体温計で計ると、37.2℃。前夜熱で苦しんでいたことなんか忘れていた。
 本当に楽しかった。

 傾いた陽射しに、4月の雪がキラキラと眩しかった。