休業5年のスキー場「チャオ御岳」国が返地要求、再開方針示されず無許可状態 岐阜・高山市 | 岐阜新聞Web

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 2018年から休業が続く岐阜県高山市高根町日和田のスキー場「チャオ御岳マウントリゾート」を運営する第三セクター「飛騨森林都市企画」(同町日和田)が、昨年3月末でスキー場敷地の国有林野の使用許可が更新されず、原状回復や返地を求められていることが12日、分かった。同日の市議会定例会の一般質問で明らかになった。

 スキー場は、1998年にJR東海や旧高根村などが出資して設立した「飛騨森林都市企画」が、国から国有林約54ヘクタールを借りてオープン。2010年5月には、オープン以来の累計来場者数が150万人を達成した。ゴールデンウイークでも春スキーが楽しめるスキー場として人気を集めていたが、14年の御嶽山噴火などの影響で入場者数が伸び悩み、収益が悪化。18年末から休業が続いている。

 オープン当初、運営主体だったJR東海は13年に撤退し、現在は筆頭株主コンサルタントなどを手がける「優福屋」(東京都)が運営主体となっている。

 市や飛騨森林管理署によると、昨年3月末で敷地の契約期間が終了となったが、更新に必要な書類がそろわなかったため、契約更新されなかったという。現在は、センターハウスなど構造物の収去や緑化植栽を行って原状回復し、返地を求められているが、現状、施設は残ったままとなっている。許可のない使用が続いているため損害賠償金も発生しており、22年度分はすでに完納しているものの、本年度分も発生している状態という。

 この日の一般質問では、市の幹部が「会社側からは、再建に向けての構想やスポンサー企業を探していることなどを聞いているが、実現に向けての見通しやスケジュールなどの方針が示されていないのが現状」と説明。スキー場の修繕などを担ってきた地元業者などへの未払いの問題もあり、飛騨森林都市企画や優福屋に対し「市としては繰り返し、今後の具体的な方針を示すことや地元住民への説明の場を設けること、地元業者への未払いの解消などを最優先に取り組むよう求めている」と述べた。