九州横断。

 今年度は、年度末3月までしばらく仕事が忙しそうな気配があった。
 その為、忙しさが本格的になる前に・・・ということで、有休をとって九州は阿蘇を走りに行った。
 
 九州でサイクリングと言えば、やまなみハイウェイや阿蘇パノラマラインは、定番中の定番コース。
 学生時代には合宿で九州を2回走っているが、阿蘇を走る機会がなかった。
 社会人になり、なかなか長期の休みもとり難くなり、学生時代のような旅もしにくくなった。
 そんなわけで、ずっと「走り残した場所」として頭の片隅にあったところだった。
 
 九州は時間的に遠いところ。
 北海道や沖縄と時間距離はさほど変わらないのではないだろうか。
 学生時代は、青春18きっぷで1日や2日かけて鈍行列車でたどりついたものである。
 しかし、社会人になった今、時間はないが金がある。
 おりよく春に開通したばかりの九州新幹線も利用して、3泊4日の旅を計画した。
 
 大学2年の時、愛媛・佐田岬から船でたどりついた大分別府をスタートして、その年の春合宿のゴール地点であった熊本まで。
 湯布院・阿蘇を経由してやまなみハイウェイをひた走るコースを設定した。
 
 やまなみハイウェイは、その名のとおり山岳地帯だが・・・まさに上りと下りしかないマゾスティックなコースである。
 初っ端、別府から湯布院への上りは、非常にきつかった orz
 しかし、ゼエゼエ言いながらも、心配していた雨にもほとんど降られずに走ることができたし、なにより景色が最高!
 サイクリング人生22年目だが、これだけ景色も走りも充実したコースはなかなかないのではと考える。
 特に、クライマックスの阿蘇ではピーカンの快晴!
 すばらしい景色をバックに、阿蘇の火口まで渾身のヒルクライムと、そこからの最高のダウンヒルを満喫することができた。
 
 熊本は17年ぶりだったが・・・なにも覚えていなかった。
 熊本城に行ったことは覚えているが、どこを歩いてどこを見たのかは記憶になかった。
 2回駅寝した熊本駅も、改築されてすっかり変わってしまっていた。
 しかし、モスバーガーが残っていたのがうれしかった。
 
 17年前の3月、サイクリング部の合宿を終えて熊本駅でクラブの連中と帰途につく準備をしていた時のこと。
 自分は折りたたみ椅子を出して、他の部員が輪行作業する様子を見ていた。
 すると、どこからかやってきたホームレスの男性が、自分が捨てた紙切れをゴミ箱から取り出した。
 そして、そこになにやら書くと、自分に渡して去っていった。
 お世辞にもきれいとはいえない字で読むのに苦労した覚えがあるが、そこには、
  
  「くまもと よいとこ またおいで」
  
 と書かれていたのだった。
 あれから17年。
 また熊本に来られるとは思わなかったが、当時のことを思い出して感慨深くなった。
 あのおっちゃんは今はどうしているのだろう。
   
 でも、またいつかきっと来るぜ九州、そして熊本に!

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