夏が来る。

 今日は残業が深夜に及んで真夜中の帰宅となった。毎日暑くなってきて、朝晩は涼しくても結構汗をかく。これが夏になると、もっと暑くなってもっと汗をかくのかと思うと少し憂鬱である。
 まぁダイエットには有効かも知れないが。

 晩飯を食い損ね、コンビニでとろろそばとおにぎりを買ってアパートへ帰った。とろろそばにかやくをいれてつゆととろろを入れて混ぜながら、とろろそばにハマった年のことを思い出した。
 就職して2年目の夏だったか。お盆休みに渥美半島を走った。通る車もまばらで、人影もない半島の国道を走っていて休憩した店でとろろそばを買って店の前で食ったのだった。
 その年の夏、俺は異様にコンビニのとろろそばにはまっていた。コンビニ入ったら、とろろそばを欠かさず買って食っていた気がする。その時も、やはり店で見つけて買わずにいられなかったのである。

 とろろそばを食いながら、あの暑かったサイクリングを思い出していた。暑くて暑くて暑かった渥美半島。なんかとにかく暑い中を走ってつらかったという記憶が強い。
 それでもなんだか懐かしさをおぼえるのは何故だろう。

 夏は間違いなく、自転車の季節だった。
 夏がくるだけで気持ちが昂ぶっていた。
 そして、陽射しを浴びて、ただ走ってるだけで幸せだった。
 このごろはなんかそんなものを忘れてしまっていた。

 とろろそばの味に思い出した夏の「熱さ」。
 今年の夏も暑くなるのかな。どこかへ出かけてみようか。


  黄昏の街を背に 抱き合えたあの頃が 胸をかすめる
  軽はずみな言葉が 時に人を傷つけた そして君はいないよ
  窓に反射する 哀れな自分が 愛しくもあるこの頃では
  Ah 僕は僕のままで ゆずれぬ夢を抱えて
  どこまでも歩き続けて行くよ いいだろう?
  mr.myself

  いつの日も この胸に流れてる メロディー
  軽やかに 緩やかに 心を伝うよ
  陽の当たる坂道を昇る その前に
  また何処かで会えるといいな イノセントワールド
 
  (Mr.Children innocent world,1993)