『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観る。

 映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観にいった。ドキュメンタリー映画としてアカデミー賞を受賞したあの映画である。

 部屋の整理をしていて、ふと観にいこうと思っていたことを思いだした。ネットで検索すると、岐阜市内の小さな映画館でまだ上映中だった。レイトショーで1000円だったし、即決。
 夕飯を食ってから夜の柳ケ瀬へ出かけた。
 映画館は小さかったけど、なんだか落ち着くところだった。
 
 『ボウリング・フォー・コロンバイン』は、数年前にアメリカで起こった高校生による無差別銃撃事件をテーマにしたドキュメンタリー映画である。監督のマイケル・ムーアアカデミー賞の授賞式の壇上でイラクに戦争を仕掛けたブッシュ大統領を批判して話題をよんだ。日本でもTVでインタビューまで放送され、映画公開時から考えると、すっかり有名人になった。
 ドキュメンタリー映画なんて観たこともなかったので、楽しめるかどうか心配なところもあったが、観始めると時間を忘れてしまった。アメリカが銃社会になった過去の歴史背景を交えながら監督が銃事件やアメリカの銃社会に関わる人間にインタビューをしていくのだが、監督のインタビューがとても面白く、それでいて鋭い切り口で問題提起をしていくところが夢中にさせた。時折出てくるコロラドの風景も懐かしかった。

 題名にあるコロンバインというのは、他でもないコロラド州の花である。そう、あの事件はコロラド州デンバーの南にあるリトルトンという小さな町の、コロンバイン高校という学校で起こったのである。
 自分は留学した時に、事件がコロラドであったことを知ったが、自分が知ってるコロラドは、危険だといわれているアメリカにしては本当に平和なところだ。映画を観ていても、あんな悲惨な事件が起こったところだとは思えない。
 しかし、自分の知らないアメリカにはたくさんの危険があったのかもしれない。実際に、そのコロラド州デンバーでさえ、凶悪犯罪の発生率は日本よりも数十倍という数字であった。
 自分はなにごともなく留学から帰国したことをあたりまえのように思っていたが、幸運だと思わなければならなかったのかもしれない。

 でも映画っていいね。
 その映画館は小さいが、マイナーでもいい映画をやってるところという印象だった。今月末からまた面白そうな映画が上映予定のようだ。

 なんだかまた通うところが一つ増えた気がしてうれしい。